大手損害保険各社が、海外旅行時の事故を補償する海外旅行保険で、15歳未満の被保険者の死亡保険金額の上限を引き下げる動きが相次いでいる。
損害保険ジャパンが22日以降順次、上限を1000万円に引き下げるほか、東京海上日動火災保険は今月から実施とのこと。
三井住友海上火災保険も遅くとも9月までに引き下げる計画だそうです。
未成年者に多額の死亡保険金をかけることによる保険金殺人を防ぐことが目的で、他損保でも同様の対応が続くとみられます。
15歳未満の死亡保険金額の上限引き下げは、金融審議会(首相の諮問機関)での議論を受けた措置。
金融審では、未成年者に高額の死亡保険金をかけることが可能なことで、保険金殺人などの事件を招きかねないことが問題視されました。
このため、損保業界側が、15歳未満を対象とした死亡補償上限額を1000万円とする自主ルールを提示しました。
これを受けて金融庁は年内にも内閣府令を改正する見通しです。
損保各社も対応を急いでおり、東京海上日動と損保ジャパンは7月から順次実行に移すとのこと。
それまでは事故によるけがなどで死亡した際に支払う「傷害死亡保険金」は5000万円、病気で死亡した際に支払う「疾病死亡保険金」は3000万円が上限だったのです。
15歳以上の補償額の上限は従来通りだそうです。
上限引き下げの対象となる契約は、インターネットや空港に設置した専用の自動引受機などによる非対面のみ。
他の損害保険商品と比べて、非対面のため保険金殺人などの「モラルリスク」が発生する可能性が比較的高いと判断したためです。
東京海上日動では「実態に即した判断。金融審での議論を受けて、早急な対応が必要だと考えた」としています。
両社のほか、三井住友海上が9月までに同様の措置を行う計画です。
あいおい損害保険や日本興亜損害保険などでも準備を進めているとしている。
一方で、今後は傷害保険や医療保険など第3分野商品の一部でも同様の対応が求められます。
このため、損保業界では、必要な対応について規定する自主ガイドラインの策定準備を進めているそうです。
上限額については、複数の保険会社で保険を引き受けた場合でも通算でカウントすることが求められており、保険引き受けに関する情報を損保各社間でどうやって共有するかといったことがガイドラインに盛り込まれる見通しです。
ただ、契約情報の共有は個人情報保護の面で問題もあり、今後の議論の動向が注目されるところです。
生損保各社は、未成年者を被保険者(保険の対象・目的)とする保険において、死亡保障の
上限額(1000万円〜5000万円)を下げる方向で調整に入りました。
現在、生命保険会社が定める保険金額の上限額を今の半分以下に引き下げる方針で、各社は早ければ来年度から適用する見通しというのです。
生命保険業界としても、親が子供に高額な保険金をかけて殺人事件を起こすこと等を防ぐ
ため、保険金の上限額引き下げを自主的な運用指針の中で検討する方向となったようですがそんな検討をしなければならないほどに保険金目的の未成年者殺人が多いのでしょうか。
これについては、約10年間(平成7年〜平成17年)の保険金目的殺人の検挙件数のうち、未成年者が被害者となった割合を見ると、検挙年ベースで46件中4件、犯行年ベースで64件中7件(生命保険協会に提出された研究報告書)とある。
つまり、保険金目的の殺人事件全体から見ると1割程度で、増加傾向にあるというわけでもありません。
では、新規の保険契約において、未成年者を被保険者とする契約の割合が、他の年代に比べて目立って高いのでしょうか。
平成18年度の新規契約872万件のうち、0〜19歳の契約は122万件で、割合にして14%程度(生命保険事業概況)ですので、そうした傾向があるともいえません。
では、なぜ未成年者に絞った制限となるのか?
その理由は、幼い子どもの場合、本人の同意なしで親が保険をかけられる点にあるようです。
保険をかける時、被保険者と契約者が異なる場合には、被保険者本人の同意が原則として必要です。
未成年者の場合には、15歳以上であれば基本的に未成年者本人およびその親権者等の法定代理人の同意を得ることになっています。
しかし、15歳未満であれば、法定代理人の同意を得ればOKなのが一般的でした。
その点が懸念されて、凶悪犯罪を誘発する懸念の芽を今のうちに摘み取るというのが、保険法改正案に盛り込まれた位置づけなのだと考えられます。
このほかに、ちょうど2007年初めに保険金目的の放火事件が起きて大きく報道されたことや
欧米では未成年者の死亡保障をする保険契約が、実質的に禁止されている例が多いといった報告がされていたこともあったようです。
ただ、こうした形での“親の子殺し抑制策”が検討された背景に、昨今の家庭内の殺人事件報道の増加も影響しているのです。
近年の子供の死亡保険の上限が下がってきている背景や不意に訪れる子供の死、このような悲しい状況に対して、少し保険の世界は状況が変わりつつあるようです。
現代は、突然の殺人事件に巻き込まれ、子供を失うこともないわけではありません。
とにかく保険については、これから慎重に考えなければならない時代といえます。
(参考URL)
海外旅行保険 子供の死亡補償、上限額引き下げ 大手損保、殺人防止へ対応
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080722-00000007-fsi-bus_all
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